先輩社員の仕事生産管理

医療機器での社会貢献を目指し、ものづくり業界へ転職
新製品を目標日程までに立ち上げる生産計画を展開
生産管理 / 2011年入社

商社からものづくりの現場に転身

大学で経済学を専攻後、アメリカ留学を経て、商社に就職しました。商社では、顧客とメーカーを繋ぐ仲介役として働いていましたが、次第にものづくりの現場を身近に感じたいという思いが高まり、メーカーへの転職を考え始めました。

そこで興味を持ったのが、医療業界でした。もともと病院勤務の父や看護師の妻から職場の様子を聞く機会が多く、医療で社会貢献する大切さを見つめ直すようになったのです。その際、すぐに頭に浮かんだのがオリンパスでした。オリンパスは父の話に頻繁に登場していた内視鏡メーカーで、世界規模で事業を展開していることにも魅力を感じていたからです。なかでも白河は出身地の福島市や前職の勤務地・郡山、東京へのアクセスも良く、暮らしやすい土地だと知り合いから聞いていたこともあり、「転職先は、白河オリンパスしかない」と、すぐに心が決まりました。

内視鏡製品の生産に関する全体指揮を執り、各部門との調整に尽力

管理グループは工場の司令塔として、主に4つの役割を担っています。まず、新製品を発売計画通りに立ち上げるため、工場で試作する生産計画を調整し展開すること。次に、販売を開始している製品の量産計画を推進すること。そして、合理的な生産管理システムの構築や情報機器の管理・統制、利益を確保するための売上・原価管理も行っています。

私が所属するチームでは、新製品の生産管理を担当しています。具体的には、製品の立ち上げを担当する開発部門の要求に応えるため、製品の生産計画を立案し必要な部品を希望のタイミングで確保できるよう購買部門に手配依頼を発行したり、製造部門に試作品の生産数や納期を伝えて組立を依頼し、生産計画の進捗管理を実施しています。また、最終的に製品出荷の可否を判断する品質保証部門などと検証に必要な日程のすり合わせも欠かせません。さらに、最近は製品開発の源流となるオリンパスグループの本社・技術開発センターと連携して、設計レベルから参入することもあり、管理グループのなかでも特に多くの部門と関わっています。

新製品を工場から初めて出荷する瞬間には大きな喜びが

数年前、他社と技術提携し、新たな内視鏡システムの開発プロジェクトを発足したことがありました。世界初の高画質を搭載した外科手術用の製品でしたが、開発が非常に難航し、試作が繰り返されました。その度に入手しづらい部品を手配したり、組立を依頼したりと、生産計画の調整を余儀なくされることに。さらに、物流形態や販売戦略も従来とは異なり、先が見えない日々が続きました。それにもかかわらず、新製品を待っている世界中のお客様の期待に応えるために発売日は厳守、医療機器だけに品質維持も必至と、プレッシャーが重なりました。自分だけではとても乗り越えることはできなかったと思いますが、上司の力強いサポートがあり、関連部署も一丸となったことで、評価を得る製品を世に送り出すことができました。

この時もそうでしたが、苦労を乗り越えてようやく初出荷を迎えると、うれしさがこみ上げてきます。当チームでは、初出荷の際は搬出に立ち会い、巣立っていく製品を見届けます。現場のスタッフや開発グループ、技術グループの担当者も集まり、達成感と互いへのねぎらいの気持ちを共有することもあります。そうした時を味わえるのがこの仕事の醍醐味であり、やりがいを感じる最高の瞬間ですね。

ゴールから目をそらさず、目的に邁進

仕事をする上で大切にしているのは、目指すゴールを見失わないこと。日々の業務に忙殺されて余裕がなくなると、ミスをしたり感情的になったりしがちです。しかし、目標が定まっていれば、冷静さを保て、するべきことも明確になってきます。私の目指すべきゴールは、発売日を順守すること。目標達成までの多少の期間を要することもありますが、常に心に留めるようにしています。

今後は、原価や経理の知識も学び、工場経営を数値的に分析する力を養っていきたいですね。工場の司令塔としての任務を全うするには、質の高い製品を、より安く、より早くお客様の元に届けることができるよう全体最適を常に考え、より広い視野をもって臨むべきだと考えています。

気軽に相談できる環境づくりを目指して

チームのメンバーは、20代から50代までバランスの良い年齢構成になっています。とても風通しが良く、メンバー間の連携も良好です。また、上司は面倒見がいい一方、責任のある仕事も任せてくれます。

私もアシスタントチームリーダーを務めるようになり、メンバーが相談や報告をしやすい雰囲気づくりに配慮しています。頭ごなしに否定したり、声を荒げても物事は好転しません。「機嫌が良さそうな時に報告しよう」と上司の顔色をうかがうようになれば、そのわずか数時間の報告の遅れが命取りになるケースもあります。そのため、周囲には悪い情報ほど早急に報告するよう呼びかけ、私自身もそれを受けとめる器であるよう心がけています。

視野を広げ、「自分を知る」ことが重要

開発・技術部門はほぼ理系出身者が占めていますが、管理グループには私のような文系出身者が多く、管理グループ以外でも文系出身で活躍できる部署があります。知識は入社後、いくらでも身につけられるので、どうぞ安心してください。

学生時代は、年齢を問わず多様な人と交流したり、興味のある場所を訪れたりして見聞を広めてほしいと思います。また、高いお金をかけることなく、豊富な知識が得られる読書をするのもおすすめです。そうした経験が多い人ほど、自分のやりたいことは何か、自分には何ができるのか、自分の強みは何か、そして、自分はどういう人間なのかということが見えてくるはずです。物事に対する柔軟性も養われ、機転も利くようになるでしょう。そんな人が入社してくれて、ぜひ一緒に働けたらと思いますね。

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