工場から新規に出荷される製品は多くのお客様に届けられるのに対し、修理品はお客様一人ひとりから製品をお預かりします。そのため、よりお客様に近い立場で、製品に向き合うことになります。ただ不具合が修理できればそれで終わりではなく、時には製品が使用されている現場にも出向き、お客様の疑問や不安を丁寧に伺い、その解消に努めることもあります。お客様に寄り添った仕事ができることは、修理サービスならではの強みであり、やりがいを感じられるところだと思っています。
一方、入社5年目のとき、「5Mの変更管理」に関する規定の制定を任された際は、大きな苦労も味わいました。5Mとは品質管理にかかわる要素の頭文字をとったもので、修理部門では「Man(人)」「Machine(機械・設備)」「Material(修理部品)」「Method(作業方法)」「Measurement(測定方法)」を意味します。これらに変更があった際に、その変化点を明確にし、管理する方法をルール化する規定ですから、社内のあらゆる部署との折衝が必要です。そんな経験は初めてでしたし、大きなプロジェクトを任された責任感から、まずは自分の力でやり遂げなければという思いが強く、それが衝突を招いたり、スケジュールの遅れにつながったりしてしまいました。
そこで、仕事は自分1人ではできないことを痛感。先輩やそれまでは近寄りがたかった他部署の上司などにもアドバイスを求め、フォローしていただいたおかげで、なんとか制定することができました。多くの学びがあったと同時に、奇しくも自分の誕生日が制定日となったので、今ではいい思い出になっています。